動画配信サイトhulu(フールー)で「ブレイキング・バッド」を観ています。
★過去の全エピソードのリンクは→海外ドラマあらすじ一覧をご覧ください。
【登場人物】
ウォルター・ホワイト
高校教師。妊娠中の妻と、脳性麻痺の長男がいる。
スカイラー
ウォルターの妻
ウォルターJr
ウォルターの息子。脳性麻痺で体は不自由だが、それ以外は普通の高校生
ジェシー・ピンクマン
ウォルターの元教え子で、ドラッグのディーラー。
ハンク・シュレイダー
ウォルターの妻の妹の夫。麻薬取締局(通称DEA)の敏腕捜査官
■シーズン1第1回 ざっくり言うと・・・
高校の化学教師ウォルター・ホワイトは、第二子を妊娠中の妻スカイラーと、脳性麻痺の息子ウォルターJrと三人で平凡な暮らしを送っていた。しかしある日、医者から末期の肺ガンで余命2年だと宣告される。自分の死後、残される家族の為に金を稼いでおきたいと考えたウォルターは、これまで培った化学の知識を生かして、高純度のメタンフェタミンを精製することを思いつく。(詳細は下記へ↓)
ブレイキング・バッド(Breaking Bad))
シーズン1 第1話「化学教師 ウォルター・ホワイト」 ストーリー
ニューメキシコ州アルバカーキの砂漠地帯を、ウィネベーゴ社製のRV車が爆走して行く。
運転する男は、裸に白ブリーフ一枚、顔にはガスマスク。助手席でぐったりしている男の顔にも、ガスマスクが装着されていた。
キャンピングカー仕様の車内では、ガラスの割れる音、飛び散る液体、そして、床を転がる二人の人間は、死んでいるのか・・・・。
RV車は蛇行したあと、道路脇の砂漠地帯に飛び出し、窪地に激突して止まる。
転がり出てくるブリーフの男。わけの分からない液体も車内から流れ出す。ブリーフの男は、絶望的にガスマスクを投げ捨てると、頭を抱えて悪態をつく。遠くから聞こえてくるサイレンの音。
ブリーフの男は、サイドミラーにぶら下がったままのハンガーに掛かるシャツを身にまとう。ズボンもさっきまでそこにあったのだか、走行中にどこかへ飛んで行ってしまったようだ。
それからブリーフ男は息を止めて車内に戻ると、床に転がる男の手からは銃を、ダッシュボードからは財布とビデオカメラを取り出し、素早く車外に飛び出す。呼吸を整えてから男は、ビデオカメラの録画スイッチを入れ、カメラに向かってしゃべりだす。
「私の名前はウォルター・ホワイト。ニューメキシコ州アルバカーキーに住んでいる。これは警察に向けた自白ではない、家族へのメッセージだ。スカイラー、君は最高の妻だ、わかってほしい。ウォルターJr、お前は俺の誇りだ。どうしようもない事態になった。すぐに父さんの事件を耳にするだろう。世間にどう思われようと、これだけは伝えておく、家族のためにやったことだ。元気で」
それだけ録画するとウォルターは、カメラと自分の免許証の入った財布とを並べて地面に置き、銃を手にして道路へ出る。サイレンの音が近づいていた。ウォルターは、サイレンの方向へ銃口を向ける。
三週間前。
朝五時に目を覚ますウォルター。隣では妻が寝ている。一人、起きだしてフィットネス用のステッパーを動かすウォルターだが、嫌な咳が出る。壁にはウォルターの名前の入った「ロスアラモス国立研究所 1985年ノーベル賞研究チームに貢献」の感謝状があった。
今日はウォルターの50歳の誕生日だった。朝食の席、妻のスカイラーは「残業せずに5時に帰宅して」とウォルターに言う。
ウォルターの車に、脳性麻痺の息子ウォルターJrを乗せ、一緒に高校へ向かう。そこがウォルターの職場でもあった。
化学教師として授業するウォルター。生徒の中には興味を示す者もいるが、やる気のない者もいる。ウォルターは、ある男子生を「自分の席へ戻れ」と注意する。反抗的な態度で、渋々席に戻る男子生徒。
放課後、アルバイト先の洗車場のレジで働くウォルターに、「洗車係が辞めたから、洗車を手伝え」と言う経営者。いやいやながらも洗車をするウォルター。するとそこへ、授業中注意した男子生徒が客として来て、ウォルターをあざ笑う。
イライラしながら帰宅したウォルター。自宅のドアを開けると、ウォルターの50歳を祝って、サプライズパーティが企画されていた。
妻スカイラーの妹マリーと、マリーの夫ハンクも招かれており、麻薬取締局(通称DEA)のハンクは話の中心になって、自分の銃を自慢したり、自分のインタビューが放送されるからテレビをつけてくれと言ったりする。
「大量のメタンフェタミンを押収しました」
とテレビのインタビューの中で語るハンク。画面のニュース映像に映し出される大量の札束を見ながらウォルターがハンクに「いくら押収した?」と尋ねると「ざっと、70万ドルだ」と答えが返ってくる。「ドラッグは金になるんだ。捜査に同行するか?」と言い出したハンクに、曖昧に笑って「まあね」と返すウォルター。
数日後、洗車場でのアルバイト中にウォルターはまた嫌な咳が出て、そのまま倒れ、救急車で運ばれる。病院での診察の結果「手術不能の肺がん」で「化学療法が成功してもせいぜい2年の命」と知らされる。
妊娠中の妻へ、肺がんのことを伝えられないウォルター。洗車場のアルバイトも、嫌気がさして辞めてしまう。
ウォルターは決して貧しいわけではない。その証拠に、自宅の庭にはプールだってあるのだから。しかし先行き不安なウォルターは、プールサイドのイスに座って、途方に暮れている。悩んだ末にハンクに電話したウォルターは「捜査に同行させてくれ」と頼む。
後日、「キャプテン・クック」の名で知られる麻薬ディーラーのアジトを捜査する、麻薬取締局の現場に同行するウォルター。ハンクはガスマスクを装着した突入部隊を指し「現場では、有毒ガスが発生する危険もある」と言う。「リン化水素だろ」と化学教師らしく答えるウォルター。「ガスマスクがなけりゃ、すぐあの世行きだ」とハンクは言う。
突入部隊から「容疑者確保」の無線連絡を受けるハンク。ウォルターは「精製現場を見学したい」とハンクに言う。現場検証が終わるまで、車で待てと言い残して、現場に向かうハンク。ウォルターが、車の後部座席でハンクを待っていると、ガサ入れした家の向かいの家の二階の窓から、半裸の若い男が出てくる。慌てた様子の男は、屋根から転落。愕然としながらその様子を見ていたウォルターはさらに、その若い男がかつての教え子ジェシー・ピンクマンだと気づく。車を出てジェシーを追うウォルター。「THE CAPN(キャプテン)」ナンバーの車に乗って、逃げるジェシー。
夜、車をシートで隠すジェシーの自宅へ、「学校の名簿で住所を調べた」と言ってウォルターがやって来る。警戒するジェシーに「誰にもバレていない」と言うウォルター。ウォルターは単刀直入に「メタンフェタミンに興味がある」と切り出す。メタンフェタミン、通称「メス」。「大金が稼げるんだろ?」というウォルターの問いかけに「何の話かな」ととぼけるジェシー。
「キャプテン・クックはお前だろ」と言って、車のシートをめくり、ナンバーを見るウォルター。ジェシーはまだ、ウォルターを警戒し続け、説教はごめんだなどと言う。
「お前は今日パートナーを失った」とウォルターは言い、アジトもパートナーも失ったが「君にはビジネスが、俺には化学がある。私と組まないか?」と言い出す。ジェシーは「あんたがクリスタル・メスを作る?俺と組んで?」と笑う。しかし、ウォルターは真顔で「さもなくば、警察へ行くまでだ」とジェシーを脅す。
ウォルターの妻スカイラーは、妹のマリーから「旦那の調子は?いつもより元気ないから気になる」と言われるが、「50歳になったからよ」と笑い飛ばす。
高校の理科室から大量の化学実験器具や薬品を持ち出すウォルター。ジェシーの自宅へ来て「純度の高い、最高級のブツを作ってやる」と言うウォルターだが、ジェシーは自分の家でブツを作るのはダメだと言い出す。倉庫やガレージを借りて作っても、麻薬犬にかぎつけられると言うジェシーは「RV車がいい」と言う。「ウィネベーゴみたいなキャンピングカーか?」と問うウォルターに「売り出し中の車がある。移動式の調理場は好都合だし、荒野に乗り出せば見つかる恐れもない」と言うジェシー。
ウォルターとジェシーは売り出し中の車を見に来る。8万5千ドルという金額に「全然、足りない」となげくジェシー。「7,000ドルが全財産だ」とウォルターは言い「君は売人だ、交渉しろ」とジェシーに言う。その態度に、以前とは別人のようだと驚くジェシーは、「クソ真面目に生きてきた人間が、なぜ今さら道を外す?」と尋ねる。「変だよ、意味不明だ、気味が悪い。理由を教えてほしい」と執拗にジェシーは、豹変した理由を知りたがるが「目覚めたんだ」とだけ言って、真相を語らないウォルター。
ウォルターと妻スカイラーは、衣料品店にジーンズを買いに来たウォルターJrの試着を手伝っている。遠巻きに見ている若い男たちが、体が不自由なウォルターJrのことを笑いながら、差別的な発言をする。抗議しようとしたスカイラーを「やめろ」と止めたウォルターは一旦、店の裏口から出て、正面から姿を現すと、差別的な発言をした男を蹴り倒し、足を踏みにじり、罵声を浴びせる。ウォルターの態度に驚くスカイラー。
RV車を手に入れ、荒野にやって来たウォルターとジェシー。ウォルターは「いい服だし、臭いがついたら困る」と外で服を脱いで、ブリーフ一枚になる。サイドミラーに、脱いだシャツとズボンを掛け、車の中に入ったウォルターは「裸にエプロン」という姿で薬品を調合している。面白がってビデオで撮影するジェシー。録画されてると知って「そいつを消せ」と慌てるウォルター。
ジェシーも手伝って、薬品を調合する。やがて出来合った「ブツ」はジェシーが見たこともないような上物だった。「結晶一粒の大きさからして、全然違う・・・最高の純度だ!すごいよ」と驚くジェシー。「早速試すか」というジェシーに「売るだけにしなさい」と忠告するウォルター。
「俺が話をつけてくる」と結晶一粒を小袋に入れたジェシーは、翌日知り合いの麻薬ディーラー、クレイジーエイトの家にやって来る。「最高のクリスタルだ。かなりぶっ飛ぶぞ」とエイトに小袋を渡し、買い取りを打診するジェシーだが、エイトはそんなことより、いとこのエミリオが「キャプテン・クック」と間違われて、ジェシーの身代わりに逮捕されたことに腹を立てていた。エイトは「エミリオは、お前にハメられたと言っている」と言う。「そんなわけないだろ」と言うジェシーの前に、エミリオが「今朝、釈放された」と姿を現す。「誰が作った?お前じゃないのは確かだ」と小袋を持ってジェシーに詰め寄るエイトとエミリオ。
荒野のRV車で作業を続けている、ブリーフにエプロン姿のウォルターの元へ、一台の車がやって来る。車にはエイト、エミリオ、ジェシーが乗っていた。車を降り「取引しよう。あんた一人か?」と、ビニール袋に入った札束を手にウォルターに声を掛けるエイトの後ろから、エミリオが「こいつ知ってるぞ。麻薬取締局の仲間だ!」と言って、車を降りてくる。誤解して「裏切ったな!」とジェシーとウォルターに銃を突きつけてくるエイトとエミリオだが、ウォルターは「レシピを教えよう。君も作りたいだろう。助けてくれたらレシピを教える」とエイトに持ちかける。
エミリオに手足をガムテープで縛られ、外に放置されるジェシー。ウォルターはRV車の中で、エイトに実際に薬品を使って作り方を教えている。そこへくわえタバコで入って来るエミリオ。「禁煙だ」と忠告するウォルター。渋々窓からタバコを投げ捨てるエミリオ。
火にかけたフライパンに、水を注いだウォルターは、おもむろに「赤リン」の容器を手に取る。「早く作れ」と急かすエイト。静かに赤リンの蓋を開けたウォルターは、次の瞬間、中の粉末を全部フライパンの湯の中にぶちまける。火柱が上がり、床に倒れるエイトとエミリオ。その隙に素早くRV車の外に出て、ドアを閉めるウォルター。激しく咳き込みながらドアを開けようと暴れ、車内から発砲してくるエイトとエミリオ。必死で外からドアを押さえつけるウォルター。やがて、車内が静になる。
ウォルターが、ジェシーのガムテープを解いていると、エミリオの捨てたタバコのせいで、RV車の向こうの草むらから火の手が上がっている事に気づく。エプロンを脱ぎ、ブリーフ一枚の姿になって、必死に火を消そうとするウォルターだが、脱いだエプロンでいくらたたいても、火の手は広がるばかりだった。消火をあきらめたウォルターは、ガスマスクを着け、気を失っているジェシーにもガスマスクをかぶせて、有毒物質が充満するRV車の車内に戻ると、エンジンをかける。
走行中のRV車内で、散乱して割れるフラスコやビーカー。助手席でぐったりしているガスマスク姿のジェシー。サイドミラーに掛けられたままの、ウォルターのシャツとズボンは風にあおられズボンが飛ばされていく。必死の形相で車を運転するウォルター。
・・・・・近づくサイレンの音。
エイトの銃を構えているウォルターは、突然銃口を自分の顎に向け、引き金を引くが、安全装置が解除されておらず弾は出ない。さらに近づくサイレンの音。もうおしまいだとウォルターが諦めかけたその瞬間、それは消防車のサイレンとわかる。慌てて銃を隠したウォルターの目の前を、通過していく3台の消防車。唖然と見送るウォルター。
意識の戻ったジェシーが車を降り「どうなってる、何をした?」とウォルターに聞く。「蒸気中の赤リンを加熱すると、リン化水素が発生する。神経ガスだ。吸ったらおしまいだ」と説明するウォルター。
洗濯機でリン化水素に汚染された札束を洗い、乾燥させ、回収するウォルター。夜更けて帰宅したウォルターに、妻のスカイラーが「最近変よ、何があったの?」と声をかける。「大丈夫だ」と言ったウォルターは妻を荒々しく抱き、「本当にあなたなの?」と驚かれる。
*****************************************
ぜっっっったい、面白いでしょ、このパターン。
善良な市民が、ある日突然極悪人に豹変するパターンは過去にもありました。
マイケル・ダグラスの映画「フォーリン・ダウン」なんて、もろそのパターンだし。
まあ、この「ブレイキング・バッド」見て「フォーリン・ダウン」を思い出した人がどれくらいいるやら。少し前の映画かと思いきや、もはや20年以上前の映画でしたわ(笑)。
ただ大きく違う点は、「フォーリンダウン」はある意味「理由なき反抗」というか、たまりにたまった怒りが爆発だけど、こちらの「ブレイキング・バッド」ははっきりとした「妻子に金を残したい」という理由がある。
ちょっと空気読めない感じの妻とか、ナイーブそうだけど父親を尊敬している息子とかもいい感じ。
主演のウォルター役ブライアン・クランストンは、ビジュアル的にはおじさんだし、お腹出てるし、体ダブダブだし、ちょっと夢がないけど、その分ジェシー役のアーロン・ポールが可愛くていんじゃないでしょうか。
夫の異変に気づいてはいるものの、実際何をやっているかはわからない妻の様子とか「ブラックなシャル・ウィ・ダンス」みたい。
エミー賞の多部門で受賞しているだけに、安心して見られますね。
続きもきっと面白そう。
気になった方、視聴は是非hulu(フールー)で!
★続きはこちら ブレイキング・バッド1-2
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【登場人物】
ウォルター・ホワイト
高校教師。妊娠中の妻と、脳性麻痺の長男がいる。
スカイラー
ウォルターの妻
ウォルターJr
ウォルターの息子。脳性麻痺で体は不自由だが、それ以外は普通の高校生
ジェシー・ピンクマン
ウォルターの元教え子で、ドラッグのディーラー。
ハンク・シュレイダー
ウォルターの妻の妹の夫。麻薬取締局(通称DEA)の敏腕捜査官
■シーズン1第1回 ざっくり言うと・・・
高校の化学教師ウォルター・ホワイトは、第二子を妊娠中の妻スカイラーと、脳性麻痺の息子ウォルターJrと三人で平凡な暮らしを送っていた。しかしある日、医者から末期の肺ガンで余命2年だと宣告される。自分の死後、残される家族の為に金を稼いでおきたいと考えたウォルターは、これまで培った化学の知識を生かして、高純度のメタンフェタミンを精製することを思いつく。(詳細は下記へ↓)
ブレイキング・バッド(Breaking Bad))
シーズン1 第1話「化学教師 ウォルター・ホワイト」 ストーリー
ニューメキシコ州アルバカーキの砂漠地帯を、ウィネベーゴ社製のRV車が爆走して行く。
運転する男は、裸に白ブリーフ一枚、顔にはガスマスク。助手席でぐったりしている男の顔にも、ガスマスクが装着されていた。
キャンピングカー仕様の車内では、ガラスの割れる音、飛び散る液体、そして、床を転がる二人の人間は、死んでいるのか・・・・。
RV車は蛇行したあと、道路脇の砂漠地帯に飛び出し、窪地に激突して止まる。
転がり出てくるブリーフの男。わけの分からない液体も車内から流れ出す。ブリーフの男は、絶望的にガスマスクを投げ捨てると、頭を抱えて悪態をつく。遠くから聞こえてくるサイレンの音。
ブリーフの男は、サイドミラーにぶら下がったままのハンガーに掛かるシャツを身にまとう。ズボンもさっきまでそこにあったのだか、走行中にどこかへ飛んで行ってしまったようだ。
それからブリーフ男は息を止めて車内に戻ると、床に転がる男の手からは銃を、ダッシュボードからは財布とビデオカメラを取り出し、素早く車外に飛び出す。呼吸を整えてから男は、ビデオカメラの録画スイッチを入れ、カメラに向かってしゃべりだす。
「私の名前はウォルター・ホワイト。ニューメキシコ州アルバカーキーに住んでいる。これは警察に向けた自白ではない、家族へのメッセージだ。スカイラー、君は最高の妻だ、わかってほしい。ウォルターJr、お前は俺の誇りだ。どうしようもない事態になった。すぐに父さんの事件を耳にするだろう。世間にどう思われようと、これだけは伝えておく、家族のためにやったことだ。元気で」
それだけ録画するとウォルターは、カメラと自分の免許証の入った財布とを並べて地面に置き、銃を手にして道路へ出る。サイレンの音が近づいていた。ウォルターは、サイレンの方向へ銃口を向ける。
三週間前。
朝五時に目を覚ますウォルター。隣では妻が寝ている。一人、起きだしてフィットネス用のステッパーを動かすウォルターだが、嫌な咳が出る。壁にはウォルターの名前の入った「ロスアラモス国立研究所 1985年ノーベル賞研究チームに貢献」の感謝状があった。
今日はウォルターの50歳の誕生日だった。朝食の席、妻のスカイラーは「残業せずに5時に帰宅して」とウォルターに言う。
ウォルターの車に、脳性麻痺の息子ウォルターJrを乗せ、一緒に高校へ向かう。そこがウォルターの職場でもあった。
化学教師として授業するウォルター。生徒の中には興味を示す者もいるが、やる気のない者もいる。ウォルターは、ある男子生を「自分の席へ戻れ」と注意する。反抗的な態度で、渋々席に戻る男子生徒。
放課後、アルバイト先の洗車場のレジで働くウォルターに、「洗車係が辞めたから、洗車を手伝え」と言う経営者。いやいやながらも洗車をするウォルター。するとそこへ、授業中注意した男子生徒が客として来て、ウォルターをあざ笑う。
イライラしながら帰宅したウォルター。自宅のドアを開けると、ウォルターの50歳を祝って、サプライズパーティが企画されていた。
妻スカイラーの妹マリーと、マリーの夫ハンクも招かれており、麻薬取締局(通称DEA)のハンクは話の中心になって、自分の銃を自慢したり、自分のインタビューが放送されるからテレビをつけてくれと言ったりする。
「大量のメタンフェタミンを押収しました」
とテレビのインタビューの中で語るハンク。画面のニュース映像に映し出される大量の札束を見ながらウォルターがハンクに「いくら押収した?」と尋ねると「ざっと、70万ドルだ」と答えが返ってくる。「ドラッグは金になるんだ。捜査に同行するか?」と言い出したハンクに、曖昧に笑って「まあね」と返すウォルター。
数日後、洗車場でのアルバイト中にウォルターはまた嫌な咳が出て、そのまま倒れ、救急車で運ばれる。病院での診察の結果「手術不能の肺がん」で「化学療法が成功してもせいぜい2年の命」と知らされる。
妊娠中の妻へ、肺がんのことを伝えられないウォルター。洗車場のアルバイトも、嫌気がさして辞めてしまう。
ウォルターは決して貧しいわけではない。その証拠に、自宅の庭にはプールだってあるのだから。しかし先行き不安なウォルターは、プールサイドのイスに座って、途方に暮れている。悩んだ末にハンクに電話したウォルターは「捜査に同行させてくれ」と頼む。
後日、「キャプテン・クック」の名で知られる麻薬ディーラーのアジトを捜査する、麻薬取締局の現場に同行するウォルター。ハンクはガスマスクを装着した突入部隊を指し「現場では、有毒ガスが発生する危険もある」と言う。「リン化水素だろ」と化学教師らしく答えるウォルター。「ガスマスクがなけりゃ、すぐあの世行きだ」とハンクは言う。
突入部隊から「容疑者確保」の無線連絡を受けるハンク。ウォルターは「精製現場を見学したい」とハンクに言う。現場検証が終わるまで、車で待てと言い残して、現場に向かうハンク。ウォルターが、車の後部座席でハンクを待っていると、ガサ入れした家の向かいの家の二階の窓から、半裸の若い男が出てくる。慌てた様子の男は、屋根から転落。愕然としながらその様子を見ていたウォルターはさらに、その若い男がかつての教え子ジェシー・ピンクマンだと気づく。車を出てジェシーを追うウォルター。「THE CAPN(キャプテン)」ナンバーの車に乗って、逃げるジェシー。
夜、車をシートで隠すジェシーの自宅へ、「学校の名簿で住所を調べた」と言ってウォルターがやって来る。警戒するジェシーに「誰にもバレていない」と言うウォルター。ウォルターは単刀直入に「メタンフェタミンに興味がある」と切り出す。メタンフェタミン、通称「メス」。「大金が稼げるんだろ?」というウォルターの問いかけに「何の話かな」ととぼけるジェシー。
「キャプテン・クックはお前だろ」と言って、車のシートをめくり、ナンバーを見るウォルター。ジェシーはまだ、ウォルターを警戒し続け、説教はごめんだなどと言う。
「お前は今日パートナーを失った」とウォルターは言い、アジトもパートナーも失ったが「君にはビジネスが、俺には化学がある。私と組まないか?」と言い出す。ジェシーは「あんたがクリスタル・メスを作る?俺と組んで?」と笑う。しかし、ウォルターは真顔で「さもなくば、警察へ行くまでだ」とジェシーを脅す。
ウォルターの妻スカイラーは、妹のマリーから「旦那の調子は?いつもより元気ないから気になる」と言われるが、「50歳になったからよ」と笑い飛ばす。
高校の理科室から大量の化学実験器具や薬品を持ち出すウォルター。ジェシーの自宅へ来て「純度の高い、最高級のブツを作ってやる」と言うウォルターだが、ジェシーは自分の家でブツを作るのはダメだと言い出す。倉庫やガレージを借りて作っても、麻薬犬にかぎつけられると言うジェシーは「RV車がいい」と言う。「ウィネベーゴみたいなキャンピングカーか?」と問うウォルターに「売り出し中の車がある。移動式の調理場は好都合だし、荒野に乗り出せば見つかる恐れもない」と言うジェシー。
ウォルターとジェシーは売り出し中の車を見に来る。8万5千ドルという金額に「全然、足りない」となげくジェシー。「7,000ドルが全財産だ」とウォルターは言い「君は売人だ、交渉しろ」とジェシーに言う。その態度に、以前とは別人のようだと驚くジェシーは、「クソ真面目に生きてきた人間が、なぜ今さら道を外す?」と尋ねる。「変だよ、意味不明だ、気味が悪い。理由を教えてほしい」と執拗にジェシーは、豹変した理由を知りたがるが「目覚めたんだ」とだけ言って、真相を語らないウォルター。
ウォルターと妻スカイラーは、衣料品店にジーンズを買いに来たウォルターJrの試着を手伝っている。遠巻きに見ている若い男たちが、体が不自由なウォルターJrのことを笑いながら、差別的な発言をする。抗議しようとしたスカイラーを「やめろ」と止めたウォルターは一旦、店の裏口から出て、正面から姿を現すと、差別的な発言をした男を蹴り倒し、足を踏みにじり、罵声を浴びせる。ウォルターの態度に驚くスカイラー。
RV車を手に入れ、荒野にやって来たウォルターとジェシー。ウォルターは「いい服だし、臭いがついたら困る」と外で服を脱いで、ブリーフ一枚になる。サイドミラーに、脱いだシャツとズボンを掛け、車の中に入ったウォルターは「裸にエプロン」という姿で薬品を調合している。面白がってビデオで撮影するジェシー。録画されてると知って「そいつを消せ」と慌てるウォルター。
ジェシーも手伝って、薬品を調合する。やがて出来合った「ブツ」はジェシーが見たこともないような上物だった。「結晶一粒の大きさからして、全然違う・・・最高の純度だ!すごいよ」と驚くジェシー。「早速試すか」というジェシーに「売るだけにしなさい」と忠告するウォルター。
「俺が話をつけてくる」と結晶一粒を小袋に入れたジェシーは、翌日知り合いの麻薬ディーラー、クレイジーエイトの家にやって来る。「最高のクリスタルだ。かなりぶっ飛ぶぞ」とエイトに小袋を渡し、買い取りを打診するジェシーだが、エイトはそんなことより、いとこのエミリオが「キャプテン・クック」と間違われて、ジェシーの身代わりに逮捕されたことに腹を立てていた。エイトは「エミリオは、お前にハメられたと言っている」と言う。「そんなわけないだろ」と言うジェシーの前に、エミリオが「今朝、釈放された」と姿を現す。「誰が作った?お前じゃないのは確かだ」と小袋を持ってジェシーに詰め寄るエイトとエミリオ。
荒野のRV車で作業を続けている、ブリーフにエプロン姿のウォルターの元へ、一台の車がやって来る。車にはエイト、エミリオ、ジェシーが乗っていた。車を降り「取引しよう。あんた一人か?」と、ビニール袋に入った札束を手にウォルターに声を掛けるエイトの後ろから、エミリオが「こいつ知ってるぞ。麻薬取締局の仲間だ!」と言って、車を降りてくる。誤解して「裏切ったな!」とジェシーとウォルターに銃を突きつけてくるエイトとエミリオだが、ウォルターは「レシピを教えよう。君も作りたいだろう。助けてくれたらレシピを教える」とエイトに持ちかける。
エミリオに手足をガムテープで縛られ、外に放置されるジェシー。ウォルターはRV車の中で、エイトに実際に薬品を使って作り方を教えている。そこへくわえタバコで入って来るエミリオ。「禁煙だ」と忠告するウォルター。渋々窓からタバコを投げ捨てるエミリオ。
火にかけたフライパンに、水を注いだウォルターは、おもむろに「赤リン」の容器を手に取る。「早く作れ」と急かすエイト。静かに赤リンの蓋を開けたウォルターは、次の瞬間、中の粉末を全部フライパンの湯の中にぶちまける。火柱が上がり、床に倒れるエイトとエミリオ。その隙に素早くRV車の外に出て、ドアを閉めるウォルター。激しく咳き込みながらドアを開けようと暴れ、車内から発砲してくるエイトとエミリオ。必死で外からドアを押さえつけるウォルター。やがて、車内が静になる。
ウォルターが、ジェシーのガムテープを解いていると、エミリオの捨てたタバコのせいで、RV車の向こうの草むらから火の手が上がっている事に気づく。エプロンを脱ぎ、ブリーフ一枚の姿になって、必死に火を消そうとするウォルターだが、脱いだエプロンでいくらたたいても、火の手は広がるばかりだった。消火をあきらめたウォルターは、ガスマスクを着け、気を失っているジェシーにもガスマスクをかぶせて、有毒物質が充満するRV車の車内に戻ると、エンジンをかける。
走行中のRV車内で、散乱して割れるフラスコやビーカー。助手席でぐったりしているガスマスク姿のジェシー。サイドミラーに掛けられたままの、ウォルターのシャツとズボンは風にあおられズボンが飛ばされていく。必死の形相で車を運転するウォルター。
・・・・・近づくサイレンの音。
エイトの銃を構えているウォルターは、突然銃口を自分の顎に向け、引き金を引くが、安全装置が解除されておらず弾は出ない。さらに近づくサイレンの音。もうおしまいだとウォルターが諦めかけたその瞬間、それは消防車のサイレンとわかる。慌てて銃を隠したウォルターの目の前を、通過していく3台の消防車。唖然と見送るウォルター。
意識の戻ったジェシーが車を降り「どうなってる、何をした?」とウォルターに聞く。「蒸気中の赤リンを加熱すると、リン化水素が発生する。神経ガスだ。吸ったらおしまいだ」と説明するウォルター。
洗濯機でリン化水素に汚染された札束を洗い、乾燥させ、回収するウォルター。夜更けて帰宅したウォルターに、妻のスカイラーが「最近変よ、何があったの?」と声をかける。「大丈夫だ」と言ったウォルターは妻を荒々しく抱き、「本当にあなたなの?」と驚かれる。
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ぜっっっったい、面白いでしょ、このパターン。
善良な市民が、ある日突然極悪人に豹変するパターンは過去にもありました。
マイケル・ダグラスの映画「フォーリン・ダウン」なんて、もろそのパターンだし。
まあ、この「ブレイキング・バッド」見て「フォーリン・ダウン」を思い出した人がどれくらいいるやら。少し前の映画かと思いきや、もはや20年以上前の映画でしたわ(笑)。
ただ大きく違う点は、「フォーリンダウン」はある意味「理由なき反抗」というか、たまりにたまった怒りが爆発だけど、こちらの「ブレイキング・バッド」ははっきりとした「妻子に金を残したい」という理由がある。
ちょっと空気読めない感じの妻とか、ナイーブそうだけど父親を尊敬している息子とかもいい感じ。
主演のウォルター役ブライアン・クランストンは、ビジュアル的にはおじさんだし、お腹出てるし、体ダブダブだし、ちょっと夢がないけど、その分ジェシー役のアーロン・ポールが可愛くていんじゃないでしょうか。
夫の異変に気づいてはいるものの、実際何をやっているかはわからない妻の様子とか「ブラックなシャル・ウィ・ダンス」みたい。
エミー賞の多部門で受賞しているだけに、安心して見られますね。
続きもきっと面白そう。
気になった方、視聴は是非hulu(フールー)で!
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